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東洋的トレーニングの時代

決定版 中国武術完全マスターブック (学研ムック)
決定版 中国武術完全マスターブック (学研ムック)

 今回の記事は本当に自分の趣味が前に出ているので、読んで納得できる人と全く納得できない人が出てくることが予想されます。特に科学とか理論が好きな人は避けたほうがいいと思います。かなり不合理な理屈ですので。

 さて本論にいきます。いきなりですが、自分は身体運用の本を読んで実際に体を動かしてみるのが好きです。例えば、上にあるような中国武術の本、日本の古武術の本、ナンバに関しての本などです。

 こうした身体運用の本は大雑把に言って「自分の体をいかに合理的に動かすか」、というテーマで書かれています。

 そのための方法論として、いかに筋肉や骨を連動させて、操作するかという点に重点が置かれています。トレーニングも力の伝達とか、体の連動に関するものが多いです。そうした鍛錬の結果、最小限の力で動くことが可能になると説きます。

 これは現在主流の西洋的な発想とは異なります。西洋的なトレーニングは基本的に科学的なエビデンス(根拠)をもとに、個別最適化を進めるという感じです。

 下肢を鍛えて、上半身を鍛えて、体幹を鍛えて……と全身を鍛える。あるいは、筋力をつけて、敏捷性を鍛えて、調整力を鍛えて……、そうやって個々の能力を鍛えれば、全体としても最適になる。そういう理屈です。

 つまり極論すれば、東洋武術(身体操作)では全体の連動、整合性に重きを置きますが、西洋的には個別の部分をよくすることを重視するというわけです。

 どちらがいい、悪いというのは多分ありません。バランス、両立が最適解であると個人的には信じています。

 ただ、現在のトレーニングはあまりに西洋的すぎるので、少し苦情を述べようと思います。

 例えば、体幹を鍛えるというと、どういうトレーニングをするでしょうか。多分、大抵の人は、腹筋・背筋を強化すればいいと考えがちです。有名なのは、腹筋・背筋運動ですね。

 しかし、それは東洋的な発想からいえば、正解ではないのです。なぜならそれは筋肉を鍛えているだけであって、動きを見ていないからです。

 実際にどうやって体幹を使うかを考えたときに、武術的には骨盤、背骨、肋骨の連動が重要であると考えます。いかにこれらの動きを滑らかにつなげるかです。

 そうした動きでは、背中が柔らかく動くこと、わき腹が伸びること、分割して体を意識できることが肝要です。だから、それを意識して体を動かす練習をする。これが、東洋的なトレーニングです。筋肉を固めることが目的ではありません。やわらかく、かつ連動する筋肉を要求するのです。

 他にも、身体運用には面白いトレーニングがあります。一番顕著なのは、站椿功です。これは、武術にかかわったことがある人なら知っていると思いますが、立つだけのトレーニングです。

 具体的にやってみたい人は、下のホームページが参考になります。

 基本功その3・歩型
 私の習った站椿功

 立つだけですが、要求はいくつかあります。最小限の力で立つこと、丹田を意識することなどです。5分くらいやってみればわかりますが、力を抜くのはほぼ不可能に思えます。むしろすぐに足がつります。

 しかし、実際には達人の方は何分でも立てるそうです。これは多分、体の使い方が合理的だからだと思います。正確に言えば、体の内部の筋肉で立てるそうです。

 バドミントンに関係ないと感じるかもしれませんが、正しく構えられるというのはフットワークの大前提です。いかに最低限の力で立つか、いかに動ける状態を維持するかという課題は同じです。

 科学的に言えば、ウェイトトレーニングで下肢を鍛えて、強く蹴りだせばいいじゃないかということになりますが、それは個人的には人間の力を軽視しているように感じます。まあ、最終的にはそういう世界になるでしょうが。

 ここまでつらつら述べてきましたが、結局のところもっとバドミントンのトレーニングも動きももう少し東洋の知恵を生かせるのでは、と自分は思うのです。

 呼吸法、丹田、脱力、骨盤操作、膝抜き……いろいろな知恵が武術にあります。そして、それは決して偽物ではなくて、確かに存在する実体です。確かに感覚的な世界で、西洋のトレーニングみたいに万人受けは目指せないけれども、そういう手法が存在するということを知ってほしいと思います。

 ここからは、具体的にどういう方法があるのか知りたいという方のために、おすすめのメソッドと書籍を紹介します。

1.ヨガ

 ヨガのいいところは、いろいろな部分の柔軟性(特に背中)とバランス感覚を養えるところです。よくあるストレッチと違い、動きながら行うので非常に使える筋肉を作れます。

 ウォーミングアップにも使えますし、便利です。最近ではアスリートヨガという選手向けのものも開発されているそうです。ヨガは非常に容易で効果が高いので、万人受けしやすい気がします。ストレッチで物足りない人も使えますしね。

 自分が使っているのは下記のテキストです。簡単なので2週間あれば、すべての動きができそうです。ただ、本気のアスリートが使うには、少し物足りないでしょうね。そういう方にはもう1段上のレベルのものを勧めておきます。

パワーヨーガ―しなやかなボディラインに!  教室そのまま音声CD付
綿本 彰
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2.身体意識を鍛える。
 
図解トレーニング 身体意識を鍛える
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 これは個人的には好きなトレーニングですが、万人受けはしません。中心軸や丹田を実際に、意図的に作ろうというトレーニングです。高岡先生は信頼できる人なので、効果は保証します。

 しかし、ヨガとは違い、西洋的なトレーニングとはほぼ真逆に位置する考え方なので、科学を信奉する人は多分受け付けません。今回の記事をスラスラ読めた人ならいけるかも……。

3.胴体力



 この本では、骨盤・体幹操作を3つに分類して鍛えようとするものです。ベースはヨガと武術で、柔軟性向上にも役に立つだろうと思います。ただどちらかというと、動きの連動に力を入れています。

 体幹と下肢の連動、動きやすい立ち方、あとは体の分化について書かれています。練習すれば、多分誰でも身につくように説明がされていますが、多分3つの中で1番難しいです。本当に体の操作に興味があれば、間違いなく役に立つと思いますが、しっかり体で感じないと意味がないという点でハードルが高いです。


 あとは、ナンバの動きを研究している木寺さん、小田さんあたりの書籍もとっつきやすいです。下の小田さんの文章(けっこう長いですが)を読んで関心があれば、書籍にも手を伸ばしてみるといいかもしれません。

 二軸動作「常歩(なみあし)」入門 (pdf注意)

 非常に長くなりましたが、科学的、西洋的なトレーニングだけが正しいわけじゃない、別の発想もあるということを知ってもらえたら幸いです。

 ここまでお付き合いしていただき、ありがとうございました。

フットワークについての考察

中学バドミントン 強豪校のマル秘練習法、教えます! (B・B MOOK 819 スポーツシリーズ NO. 689 強くなるド)
中学バドミントン 強豪校のマル秘練習法、教えます! (B・B MOOK 819 スポーツシリーズ NO. 689 強くなるド)

 今は珍しく気力が充実している状態なので、今のうちに書けるだけ文章を書きます。テーマはフットワークで、フットワークについて考えていることを思いつくままに並べてみます。

 基本的には持論であり、科学的な裏付けはないので、どうとらえるかは読んでいる方が試してみて、そのあと判断すればいいと思います。

 基本的にはシングルスのフットワークを想定していただけると助かります。

<腰の高さについて>

 以前までは、腰を低く落として動けという指導が中心でしたが、最近は少し軟化してきました。基本的には中腰で構えておいて、きれいにロブ・クリアで頭を抜かれた場合、あるいはスマッシュやカットを低い打点でレシーブする場合に限り、腰を落とすように声をかけるようにしています。

 以上のような状況の時は、素早く腰を落とし、低重心を保ってフットワークします。なぜかというと、低いシャトルを腰高でとらえると、動きもストロークも安定しないからです。一番問題なのが、腰高でシャトルに近づいて、最後に打点を落とすことです。これだと打つ前に体もラケットが上下してしまい、動きが不安定になります。

 逆に言うと、余裕があるときは中腰以上で動いたほうが素早いし、疲れにくいのでそこまで腰を落とす必要はないというのが個人的な意見です。構えとかステップにもよりますけど。

<対フェイント>

 フェイントに関してはいろいろ問題があります。

 まず、なぜフェイントに引っかかるか考えたときに、主に3つの理由があるのです。

 1つめは、タイミングに引っかかるパターン。これは相手が打点を下げると、フットワークのタイミングがずれるというものです。

 2つ目は、面のフェイントに引っかかるパターンです。ストレートに見せかけてクロス、ヘアピンに見せかけてロブといった面の変化で相手をだますものです。

 3つ目は、相手の配球に騙されるパターンです。オープンコースに打つと見せかけて、逆とかそんな感じです。

 ものすごく端的に言えば、シャトルに集中してフットワークをするということに気を付ければ、こうした問題は解決します。あるいは、相手が打つ前に動かないようにすれば、とも言えます。

 ただこれだと正論ではありますが、具体論ではないのでもう少し考えてみます。実際のところ、フェイントの最大の問題は足が止められることです。だから、いかに足を止めないかが大事になります。

 対処法としては以下の4通りくらいあるんでしょうか。

 (1)相手がタメの動作に入っても、体のどこかでリズムをとり続ける。体を完全に止めない。
 (2)とりあえず、どこかに足を出す。予想の逆でも、その足を利用してステップを続ける。反動動作を使う。
 (3)止められた足の逆で地面をけって動く。
 (4)フェイントに引っかかった後の動きを限界まで早くする。

 (3)、(4)は足の疲労がたまるのでお勧めはしません。最終手段です。理想は(1)(2)を使いつつ、シャトルだけに集中して動くことです。

 自分は特に(1)が好きです。体幹の中を動かして構えつつ、そこから足を連動させるイメージで動きます。まあ、トップ選手はどちらかというとスプリットステップでタイミングをとる動作と、リズムをとる動作を同時に行っている印象ですが。

<きれいなフットワーク>

 きれいなフットワークとぎこちないフットワークの違いとは何かと考える機会があったのですが、究極的には動きが止まるか止まらないかだと思います。シャトルが来るたびに足が止まるフットワークはぎこちないですが、流れるように動き出せればきれいに見えます。

 具体的に言えば、中国のトップ選手のフットワークはそんな風に見えます。逆に、ほかの国の選手はまだ一端止まった動きを筋力で戻しているような印象です。

 そういうフットワークはどうすれば可能なのか。実際のところはわからないのですけれども、いかにステップとスタンスをスムーズに切り替えれるかがカギなのかなと。

 例えば、中国人選手はフェイントに引っかかったと思っても、すぐにその動きすら利用して素早く軌道修正できます。いわゆるチャイニーズステップというやつでしょうか。

 あるいは、あらゆるスタンスには動きづらい場所が存在します。例えば、右足が後ろのスタンスは、(右利きの場合)下がりやすいですが、前には進みづらいはずです。でも、彼らは余計にワンステップ入れるだけできれいに前に行きます。そのため、見た目には流れるように動いているように見えます。

 そういう動きの微調整というか、姿勢の修正が本当に巧みさを身に着けるのが、中国人的なフットワークであり、きれいなフットワークだと個人的には感じます。実際的には、いかに今の姿勢を利用するか、どうやって動きなおせば一番早いかという観点から、フットワークを研究していけばおのずとそういう道が見えてこないかなと考えています。

 多分、想定できるスタンスの種類、プレイングセンター、フェイント、打球の方向は限られてくるので、そうした制約のなかでフットワークを考えていけば、実践で想定できる動きは網羅できるので逐一分類し、練習をすれば、ある程度は力みない動きに近づけます。

 まあこれはある種の空論だとしても、いろいろな姿勢、いろいろなスタンスから動く練習をしておくことはフットワークの質を上げるために大事なことかなと思います。

 あとは可能性だけを考えると、「ステップ・スタンス・姿勢」の変化だけはなく、重力、体の沈み、体幹内部といった体の動きも利用できる気がします。言語化できないので、書けませんが。

 色々話してきましたが、結局のところシャトルに間に合えば、きれいなフットワークであろうとなかろうと関係ありません。フットワークのきれいさで勝負が決まるわけでもないですし。
 
 ただ、個人的な趣味として、こういう力を使わないフットワークの方法もあるということです。

 
 話が長くなったので、今回はここまでです。


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高校1年生への指導<ダブルス編>

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 前回は、1年生に足りない基礎技術を指導したという話でしたが、次はダブルスに関しての指導の話です。なぜダブルスかというと、団体戦のメンバーの都合もありますが、シングルスに比べて教えることが多いからです。

 実際、1年生のレベルはどんなものかというと、極論すれば2人でシングルスをしている状態です。したがって、本当の1からの指導となっています。

 そのため、同じ段階にある高校生などの参考になるかなと思うので、順を追って簡単に、その内容を書きます。

<フォーメーションについて>

 1年生といっても経験者ですから、基本的なフォーメーションはできます。トップアンドバック、サイドバイサイド、それに加えて攻撃時のローテーションくらいは全員知っていました。

 そこまではいいんですけど、パートナーのカバーがとにかく下手でした。たとえばトップアンドバックの時に、前衛はコートの奥に来た球は全くとろうとしないし、逆に後衛も前に来た球は無視します。守備範囲をきれいに分けているんですね。

 そうなると、中間の球を2人とも追いかけたり、1人が左右に振り回されたりします。一応ローテーションするつもりはあるんですけど、場当たり的なので動きがあっていなかったです。

 結局、問題の本質は何かというと、フォーメーションが2つしかないと考えているところではないかと感じます。もっと、具体的には縦と横という陣形でダブルスをとらえている気がします。実際には、斜めになっていたり、2人とも前に詰めたりとか細かいんですけどね。

 現在のところ、絶対にカバーしなくてはいけない局面の動き、要するにパートナーが追い込まれているときの動き、だけ指導しています。あとは守備範囲は2人で決めておくように言っています。

 本当はもっと細かいところを言いたいんですけど、最終的にはフォーメンションはダブルスごとに変わるのでどうしようか考え中です。

<戦術について>

 これは、ノーロブ一択です。理由としては、レシーブは一応練習していますが、今のところ攻めていたほうが確率が高いからです。ついでに、大会の2~3回戦くらいまでなら上げないだけでなんとかなりますからね。一言でいえば、効率がいいです。

 しかし、県トップにはうちのノーロブは全く通じません。多分、この展開ばかり練習しているんでしょうね。正直、速い展開では全く勝負になりません。

 むしろ彼らに勝ちに行くなら、ネットを使ったり、コートの奥までしっかり飛ばして振り回すことが重要になります。いわゆる遅くて、大きな展開ですね。でも現在のレシーブ力では非現実的なアイデアです。

 というわけで、今はノーロブが中心ですけど、最終的には技術力をつけて自分たちの戦術を作ってくれる日がこればと思います。

<ノーロブの練習>

 はっきり言うと、ほとんど進んでいないです。とりあえず、最初にプッシュレシーブから始めています。

 具体的にいうと、味方の前衛がサービスを打つ>相手が後衛の奥を狙ってプッシュ、という流れから浮かせない練習です。

 なぜこれから始めたかというと、少し慣れた高校生はサーブレシーブでとりあえずバック側にプッシュ(ドライブ)を打っておけばいいと考える人が多いからです。でも、そこで上げたらノーロブではなくなるので、練習しています。

 「コンパクトな打ち方」で強くストレートにドライブを打つorクロスに落とすという配球を要求していますが、そもそもシャトルに追いつけない、あるいは追いついても大振りして浮いてしまう場面が多いです。

 練習でしつこくやった結果、シングルスラインまでのプッシュならかなりの確率で上げないレベルまで行きましたが、まだ足が追い付いていない感じです。それを考えると、もっとレシーブのフットワークを教えておけばなと反省します。
 
 今後の予定としては、上げない練習>上げさせる練習>攻める練習>攻め続ける練習と発展していく予定ですが、もっといいアイディアがないか模索中です。

 現在のところ、上記のようなイメージなのですが、自分は選手時代の9割くらいをシングルスをやっていた人間なので、ダブルスは基本的なところしか知りません。

 そのため、もっといい戦術があるとか、もっといい練習がある、こういう技術を練習したほうがいいというのがある方はコメントしていただけると嬉しいです。

 今回はここまでです。

高校1年生への指導<コンパクトな打ち方>

ぐんぐんうまくなる!バドミントン練習メニュー
ぐんぐんうまくなる!バドミントン練習メニュー


 お久しぶりです。最後の文章を書いてから8か月くらいたっていますが、特になにかあったわけでもなく、ずっとバドミントンはやっていました。

 といっても選手として練習することは減り、代わりに後輩から指導することが増えました。それによって最近は違う視点でバドミントンの勉強をさせてもらっています。

 指導を始めてから厳密には4か月くらいたちましたが、最近やっとその輪郭が見えてきたので書いてみます。

 テーマは<高校1年生への指導>です。他の学校が何に重きを置いているかは知らないので、一般的な方法かどうかはわかりません。ちなみに、男子の話です。

 なぜいまさら1年生への指導について考えているかというと、単純に8月までは上級生がコートに入ることが多く、1年生は簡単なノックをするか、体作りをしていたからです。9月に入ってからは、2年生と1年生が中心に教えることが増えました。
 
 うちは特に強豪ではないので、入ってきた1年生はごく平均的な経験者でした。共通した欠点としては以下のような感じです。

 ・同じフォームで打ち分けるのが苦手。
 ・フォーム(主にテイクバック)が大きい。
 ・早い球(カットやスマッシュ)に対応できない。
 ・フェイントに対応できない。

 他にもいろいろありますけど、主なところではこういったところでしょうか。見てわかるとおり、根本的な問題は何かというとスイングが大きく、高校レベルのラリーについていけないという点に尽きます。

 中学生でも高いレベルになればきれいにシャトルを打ち分けれることができますが、一般的には大きなテイクバックで打つ選手が多い気がします。特にネット前やレシーブでそれは致命的です。

 そこで先日2日間もらって練習したところ、出席したほぼ全員がコンパクトなスイングをマスターしました。

 簡単に打ち方をまとめます。基本的には握りこんで、弾いて打つと考えておけばいいのではと思います。

ロブ:指で握りこんで打つ。基本はそれだけで、補助的に手首を使って打つ。ヘアピンのフォームで入ることに留意。余裕があればラケットを立てて。

 ヘアピンのフォームと打点が異なる人が多かった印象です。そういう細かい部分の修正に時間がかかりました。バックはすぐにできましたが、フォアに苦労していました。フォアは手首と指の使い方が大事です。

ドライブ:手首を立てて、肘から上をしっかり回して打つ。テイクバックは小さく、ひきつけて打つ。フォアは握りこみだけで、打つイメージで。

 まあ楽だったみたいです。しいて言えば、ひきつけるのが難しそうでした。あとは浮かないような指導を少ししました。

プッシュ&レシーブ:ドライブとほぼ同じ。

 レシーブ側に関していうと、少し体から遠いところに来るとすぐに大振りしてしまう選手が目立ちました。なぜかというと、足が安定しないからです。しっかり止まってシャトルを待てれば、コンパクトでいいということを強調しました。プッシュ側はほぼ握りこむだけです。

スマッシュレシーブ:基本的にはドライブと同じ打ち方。ただし、強く当てないとコート奥まで飛ばないので、テイクバックは小さくとるが、スイング自体は大きくとる。

 レシーブの問題点は、肩口に来た球をどう処理するのか、低めの球をしっかり飛ばせるかの2点でした。特に問題となるのは後者です。まず、高いスマッシュも低いスマッシュで同じ力で返そうとする人が多かったです。そうするとどうなるか。当然低い球のレシーブは飛びませんし、角度もつきません。低い球は角度は大きく、力は強く打つものです。

 次に、足で我慢できない人が多い。そういう人はえてして、手首を伸ばしてスマッシュを返そうとします。これは絶対に飛びませんし、面に正確に当てにくい打法です。できるだけ肘を落として、打点を調整します。

クリア&スマッシュ:これはシャトルをひきつけて、瞬間的にラケットを加速させて打ちます。クリアは肘から上で、スマッシュは全身を一瞬で爆発させる感じで打つ。イメージとしては、ドライブの打ち方で打つ。

 スマッシュレシーブに比べると、けっこう楽だったみたいです。ただ、クリアを手打ちで打ってしまう人がいたので、テイクバックまではスマッシュと同じ風に装うように指示しました。また、腰の回転も使わないと、フットワークが遅くなることもいいました。

 
 ヘアピンとカットは、基本的にみんなコンパクトだったので、省略。

 個人的には難しいかなという技術もあったのですが、案外全員動きながらでもできるまでになりました。おかげで、ダブルスの新しい技術の習得、シングルスのスマッシュ&ネットの習得が容易になりました。

 そういう点では、練習するのが遅すぎた気もしないでもないです。こうした技術は何とか、中学生の後半、あるいは高校1年生の最初くらいで教えられたらいいんですけどね。

 まあこれはやってよかった練習の1つです。

 最後に、シングルスでカットとスマッシュが取れない理由について簡単に補足しておきます。

 カットが取れないのは、多分中学生で鋭いカットを打つ選手が少ないからです。だから足がそこに動かないのでしょうね。だから、そういう角度で動くフットワークを教えるととれるようになります。

 個人的には足を横に開いてしまって、苦労する選手が多い気がします。これだと前に行かず、横に動きます。

 スマッシュは、スイングが大きい、スピードに対応できないという問題に加えて、1歩スマッシュをとろうとする選手が多かったですね。ライン際は必ず二歩以上でとります。

 これができないと、ダブルスの練習で困るので、しっかりやっておけばよかったと思っています。そこは反省点です。

 余裕があれば、もう少し1年生の話を書きます。

 とりあえず、今回はここまでです。

体の分化(オーバーヘッド)その2

 前回のエントリーの続きです。

 ・支点について

 オーバーヘッドの支点については、色々な意見ありますし、実際に多くの支点を作って打つことができます。例えば、手首、肘、前肩、肩甲骨、肋骨、体幹という支点を自分は耳にしたことがあります。

 一般的には肘と肩を支点にして打っている人が多い気がします。肘を支点にする人は手首の強い人で、リストだけで強く打てる人ですので、大抵の人は肩が支点の様な気がします。

 ただし、これは肩にかなりの負担がかかります。自分はずっと肩支点で練習していたので次の日は、かなり痛みがありました。スピードを重視するのなら肩でも問題ありませんが、負担をかけたくない人は、肩甲骨支点を勧めておきます。これは前に書いた「脇から腕を出す」感覚を維持しながら、ラケットを振る感じです。

 上手く使えるようになれば、作用点(インパクトのポイント)から支点までの距離が伸びているので、肩支点よりスピードも上がるのでは、と考えていますが、まだ実験中です。

 ・抜重について

 抜重というのは、体重を抜くことです。詳しくは説明しませんが、オーバーヘッドを打つときは、体重を上に移すような感覚で身体を動かすと早く振れます。誰でも、ハイクリアを打つときは軽く飛び上がりますよね。その感じです。

 個人的には、打つ前に軽く飛び上がったほうが、きれいに体が回って結果的に、早く振れると思います。

 このイメージを拡大したのが、ぐるぐるパンチさんの言う体幹の上下動なのかと自分は理解しています。

 ただ、自分の感覚では、体幹といっても腹筋、背筋ではなく、肋骨ですね。肋骨を持ち上げて、落とすというほうがしっくりきました。

 ・体の回転について

 他の技術についてはほとんど実証しましたが、これだけはまだしっくり来てないです。左手を早く正確に引くこと、抜重(飛び上がり、肋骨の上下動)、股関節の体重移動が重要というところまでは理解していますが、股関節・骨盤の使い方、あとは脊柱の旋回はまだ身体でタイミングがつかめていないというのが正直なところです。

 あとは、理屈的には身体を開きすぎない(主に両手・両足を開かない?)と早く回れそうですが、まだ理解不足です。

 他の技術については、質問が来ても答えられそうですが、この部分だけは難しいです。

 ・下半身の使い方

 この点についても、まだ理解が甘いですが、ひざの曲げ伸ばしによってもスイングスピードを加速させることができます。

 また、ジャンプしたときにひざを曲げて、打つ手前でひざを伸ばことでもより早く振ることができます。
 
 ・コンパクトさについて

 ここまでスピードだけを追求してきましたが、最後にコンパクトさについても言及します。

 今の自分の打ち方は、ritokooさんのいうイマドキのうち方ではないんですよね。

 要するに、力をためながら打つ感じです。イマドキの打ち方で打ったことはあまりないですが、素振りの中で多分これでは、というものを見つけたので、そのコツを書いて今回は終わります。

 まず、テイクバックはかなり小さくします。誤差はありますが、前から肩が見えるか見えないかくらいです。次に、ラケットダウンですが、肩は回さなくても良いと思います。ラギングバックだけでも充分強く振れます。

 フォワードスイングの基本は同じですが、全体的に動作を小さくします。ほんの一瞬力を入れて、すぐ止める感じです。肘も小さく回して止めます。

 そこから、瞬間的にインパクトです。ここはほとんど同じです。

 以上のように、小さく振りたければ、一つ一つの動作を小さくして、すぐ止めるように身体を使えば上手くいくのかなと感じます。振っているというか、体の各部を弾くという感じですね。

 中国の武術に寸頸という、予備動作のない打突がありますが、似たようなイメージで、全身を使いながら、表面では小さく、予備動作のないスイングに見えます。

まとめ

 ここまで長くなりすぎたのでポイントの整理だけしておきます。

 スイング=テイクバック+ラケットダウン+フォワードスイング+インパクト

 ・テイクバックでは、表側の筋肉を後ろに押し込む。(そのほとんどは、フォワードスイングで使う筋肉の逆)

 ・それは上から下に向かって行う。(肩>胸>腹筋>右股関節)順番がかわることはない。

 ・ラケットダウンでは、肩の外旋とラギングバックを行う。

 ・フォロースルーは下から上に向かって始動する。(腰周り>背筋>肩甲骨>前肩>肘)しっかりバラバラに動かすこと。

 ・インパクトでは、しっかり前腕、手首、握りこみを入れる。

 ・支点は肩甲骨がお勧め。

 ・打つときは、上に飛び上がるようにするといい。その際に肋骨も使えれば腕が早く振れる。

 ・コンパクトに打つときは、身体を止めるようにする。
 
 まとめは以上です。

 実のところ、ここまで書いてきた内容は、ネットや書籍で触れられてきたスマッシュを早くする方法の大部分を試したものです。

 ですから、まだ他にもスマッシュを早くする方法は見つかるかもしれません。もし何かしらのアイディアがあれば、試してみるので教えていただければうれしいです。
 
動き革命―最大能力を引き出す整体動作
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プロフィール

でぃあ

Author:でぃあ
バドミントンが好きな学生です。今は社会人のチームで活動中です。

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